それも愛

性懲りもない日々をつらつらと

球子ちゃんに彌生さんも

みどりの日東京国立近代美術館にいった。

ここはまずロケーションがいい。

北の丸公園の一角にあり、4階の休憩室「眺めの良い部屋」からは皇居のお堀が眺められる。

建物は派手さはないがモダンで品がある。帝国劇場や東宮御所などを設計した谷口吉郎氏の設計で、ブリジストンの石橋氏が個人で寄贈したそうだ!昔の金持ちは桁がちがう。

近代美術館では明治以降の近現代美術を収蔵する。横山大観奈良美智までとゆう感じだ。

現在の企画展は片岡球子展、103歳まで現役で精力的に絵を描き続けた日本画家。

日本画といっても彼女の絵はいわゆる日本画系譜にそった端正で繊細な美ではなく、豪快かつカラフルで大胆な絵が多い。(富士山とかが有名)

美術学校で日本画を勉強しているので、若い頃の絵は比較的おとなしい。

横浜の小学校の教師を50歳で退職し、画業に専念し屋外でのスケッチに精をだせるようになってからデフォルメされ現実ばなれした多彩な色使いの風景画に至る。

色については、教えていた小学生たちの描く自由な彩色にも影響されたそうだ。

ぼくは60歳前後の作品がいいと思った。日本画らしくないと色使い(実際油彩の絵の具も使ってる)と荒々しくも力強いタッチで画面の隅々まで描き込まれた圧倒的な濃密さ。

デッサンノートの展示もあったが、興味深かったのは、デッサンの時から形は現実とは大きく違っている点。写生をするその時点からイメージを描いていたんだ。(風景がひん曲がるくらいのメガネでもしていたのかも)

 

「面構え」シリーズで歴史上の人物を描き始めてからは、少し大人しくなってきたような気がする。歴史上の人物のその足跡を丹念に調べ、その人の顔立ち・表情や衣装などを想像して描くとゆう着想はおもしろいが、絵柄の独創性は薄れたような印象をもった。

70代後半からは亡くなるまで裸婦像に挑戦するなど、自分の絵を追求した姿勢には拍手!

 

常設展も見た。(この美術館は解説もわかりやすくてよい)

川合玉堂岸田劉生梅原龍三郎上村松園 etc、ビックネームがずらり・・

展示は定期的に少しずつ変わるんだけど、今回は昔集めていた切手の絵柄(切手趣味週間かな)にあった「舞妓林泉」があった。懐かしい気分で実物を見ると背景がかなり意匠化されかつ丹念に描き込まれていた。

ここんとこ人気爆発の感のある草間彌生さんの絵も数点あり、無限の網シリーズの作品がインパクトがあった。(ぼくは水玉よりこっちが好き)

ショップで図録を見たが、厚塗りの球子さんの絵は印刷では感じがでないのでパスし、草間さんの半生をルポした本と奈良君の初期の絵本を購入した。

 

おおらかさを感じる球子ちゃんや鋭すぎる彌生さんの作品など、色とりどりに味わった祝日の午後でした。