山手線お団子事件
それは新宿駅のホームで山手線の電車を待ってるときに始まった。
電車がやや遅れ長い列ができ、ぼくの前には若い女性が並んでいた。女性とは小さく前にならえくらいの間隔だった。
すると、その娘はやおら後ろ髪をお団子にする作業に入った。目の前に白いうなじがドアップになった。ぼくは特別うなじが好きなわけじゃないが、それなりに色気を感じる部分ではあるので、ちょっとはっとした。
だが距離が近いので作業中の髪が鼻に当たりそうになり、思わず顔をそむけた。その娘はお団子に慣れてないのか、完成まで手間取っている様子だった。
そうこうするうちに電車がホームに入ってきた。アララお団子やり直しだね・・
と思って電車に乗り込もうとすると、女の娘は両手を上げ未完成のお団子をキープしたまま乗り込んでいった!その肘、じゃまじゃねえ?
そのまま電車に押し込まれると、未完成のお団子がさらに目の前に来た。早く丸めてよ!と思いながら顔を横にして耐えた。
つぎの代々木駅に着く頃にようやくお団子が完成し、ぼくも前を向けるようになった。そしてつぎの駅原宿でお団子とサヨナラした。
やれやれ、こんなことは初めてだ、日記には山手線お団子事件と記しておこう。