それも愛

性懲りもない日々をつらつらと

庭の花

休日の散歩の途中でご婦人が庭を手入れしているのを見かけた。

玄関脇にある小ぶりだが手をかけた見栄えのする庭だった。

爽やかな紫色のセージなどがあり、イングリッシュガーデン風か。

開花の季節は違うが、昔実家にあったフリージャーのことを思い出した。

小学6年生の春休み(中学に入る前)に同級生と地元のラジオ番組企画のツアーに応募した。初めて飛行機に乗り福岡から鹿児島の沖永良部島に行ったのだが、今にして思えば子供ふたりでよく参加したものだ、また親もよく行かせたと思う。まだのんびりした時代だった。

その旅行でぼくはお土産として島の特産物のフリージャーの花を球根ごと何本か持ち帰った。母がそれを庭に植え株分けしていって数年後にはたくさん花が咲くようになっていた。

子供の頃は花なんて興味がなく目に触れて気にも止めなかったが、高校のころ春に大量に咲いた花にようやく気付き母に「いい香りだね」と言ったところ「あんたが持って帰ったものよ」と知らされた。

フリージャーはぼくが大学に入り実家を離れて以降も毎年咲いてたようだ。

10年ほど前実家を売却する際に庭には他にもいろんな木もあったが、母はフリージャーと別れるのが寂しいと言った。

さいわい母はまだ元気だが、散歩途中に綺麗な庭を目にしてそんなことを思い出した。