事実は小説より・・
今年の直木賞を受賞した「流」を読んだ。
稀に見る選考委員満場一致での受賞作。
僕は候補作だった「若冲」を面白く読んだ。これをぶっちぎった作品とゆうので、期待大にして本屋に急いだ。
1週間ほどかけて読んだ感想はと言えば、ぶっちぎってるかどうかは別にして、とても楽しく読めた。
よくできたエンターテイメントであるし、現近代史に沿った歴史小説の側面もある。
作者の東山彰良氏は台湾生まれの日本育ち。
日中戦争のさなか、中国国民党と共産党の内戦の渦中ではなばなしく(?)戦った彼の祖父の実体験が下敷きになっている。その史実にもとづいた過酷さがリアリティーを生み、軽妙な文調と相まって読みごたえのある小説に仕上がっている。
あらためてわかったことは、
やはりギリギリの状況での事実は想像力をはるかに凌ぐ!とゆうこと。
また戦争が終わってもそこで受けた行為もしくは為した行為が、その後の人生を大きく左右する(本人のみならずその家族まで)ことが改めて理解できた作品だった。
そうゆう意味ではただのエンターテイメントではない作品だと思う。