自らを縛るもの
僕は今55歳。
振り返ってみると、定かではないが中学生くらいの時から自分にとって一番大事なことは「自由」だと考えていた。
幸いなことに僕らの世代は、高度成長期のあと日本が一番平穏で凪状態の時で自由を謳歌できた。(学生運動も終わりシラケ世代とも言われたが)
そんな僕は大学に進学する時に企業には就職したくないと考え、弁護士なら独立できると考え法学部を選んだ。
なのに入学早々、司法試験の過酷さを目の当たりにし早々に諦めひたすら怠惰な学生生活を送った。
イヤイヤながらの就職活動でなんとか先輩のツテである企業に滑り込んだ。
だが案の定、保守的な風土に我慢できず数年でやめその後2度転職をし、今は小さい会社を自分でやっている。結果稼ぎはだいぶ少なくなったけど、自分で判断できるのでかなり満足できる状態だ。
だがやっと念願の自由をだいぶ手に入れたのにもう一つの問題が浮上している。
55年も生きてくると多々の失敗の経験があり、若い頃の旺盛な好奇心より失敗したくない気持ちが上回り、せっかくの機会なのに新しいことにチャレンジしない傾向がある。
が、本当は過去の失敗すら再度チャレンジすれば成功できたケースもあっただろし、今なら状況や自分自身も変わっているので上手くいく事もあると思う。
そのことに気付いたのは最近のある経験による。
ぼくは小学生の頃いちばん好きな科目が図画工作で興味がなかったのが音楽だった。
好きこそものの上手なれで、図画工作は6年間ほぼ5で音楽は3だった。
その後聴く音楽は結構楽しんできたけど、演奏は自分ではさっぱりできないと思い込んでいた。
ところが最近友人関係で楽器を演奏する機会があり、やってみたら自分の予想以上にできた。(小学生以下のレベルだけど)
そのことはささいな事だが、長年の過去の経験がゆえに自分自身を自分で縛っていたことがわかった。
(親とか会社とかの外部環境じゃなく自分で自分を不自由にしてる)
初めから自分には無理とかあわないとか決め付けないで、気になる事はできるだけ試してみようと思うこのごろです。