茶碗とモダンアート1
いつもの飲み屋じゃなく、美術館のハシゴをした。
午前中は世田谷にある静嘉堂文庫美術館、ユーミンの歌声が聞こえそうな二子玉川駅から東急バスで武蔵野丘陵の面影の残る岡本へ。
静嘉堂文庫美術館は三菱財閥の創始者の岩崎彌太郎・小彌太の親子2代のコレクションを展示するプライベート感漂う美術館だ。小高い形状の敷地内に美術館、文庫のほか鹿鳴館や岩崎邸などの設計で知られるJ・コンドル設計の西洋風な岩崎家の納骨堂もある。
この日の展示の目玉は「曜変天目茶碗」。鎌倉室町期に宋から輸入された黒磁の茶碗(福建省の天目山の近くにあった窯)で国宝に指定されている。茶碗を焼く過程でたまたま生じた円形の班紋群が珍しいもので、曜変といわれるものは世界で日本に3点しか残っておらず全て国宝になっている。
面白いの中国では窯変と言われた茶碗は、黒磁器を焼く過程で出来た偶然の産物で珍品扱い程度の評価しかされなかったのに、日本では天下一品の名品として代々の権力者に大事にされ、国の国宝にまでなったところだ。(国宝の茶碗は八品ありそのうち日本製は二つ、宋の天目茶碗が五つで李氏朝鮮の井戸茶碗が一つ)
日本の美術工芸は端正で精緻なところが特徴だと思うけど、一方結構大胆だったりかなりヘンで珍奇なものも多い。
変わったものを好むとゆうのは案外日本人の感性なのかもしれない。ヘンなものでも受け入れる柔軟性があると言ってもいいか・・
その他同じく国宝の油滴天目茶碗(優雅な朝顔形と渋い油滴紋がマッチしていてこちらの方が気に入った)、京焼(野々村仁清)などを鑑賞し、2軒目の横浜美術館に向かった。
午後のモダンアート鑑賞に勝手に続く。