ミートボウルの生まれた国
仕事でお世話になった外資系の会社の人が本社のあるロンドンに戻ることになり、送別でランチに招いた。その彼も気に入っていると聞いた表参道沿いにあるちょっと洒落た蕎麦屋に行った。ちょうどお店の名前にもある表参道の「欅」並木の新緑がだいぶ芽を出していて、お店の窓から眺めることができた。
日本滞在が5年になる彼は和食が大好きだそうだ(納豆を除いて)。確かにサウスポーでの箸づかいも上手で、天ぷらや鴨ロースを美味しそうに食べていた。(もちろんお蕎麦も)
彼の母国はスウェーデンだが、取引をするまでは隣接のノルウェーと地図上どちらが上か下か自信がなかった。今でもスウェーデンについてに知識はほとんど無い。
なのでとりあえず、君の母国の名物料理は何か?と尋ねたところ「イケヤにたくさん置いてあるよ」と言う。母国愛ではないみたいだけど、彼はイケヤのヘビーユーザーだそうだ。休暇でアフリカのサバンナに大名キャンプに出かけたり、都心の高級タワーマンションに住んでたりとリッチな彼だが、その辺は自身の合理主義なのか、国民性なのか。
そうかイケヤはスウェーデンなんだとそれで知ったが、ぼくはイケヤに行ったことがない。そう言うと少しびっくりされ、あそこは是非行った方がいいよと勧められた。
正解はミートボールとベジボール(こちらは初耳)でした。
ふ〜ん、料理にはあまり積極的なお国ではないんだね・・とは言わず、じゃあ今度イケヤで食べてみるよ、と適当な反応(大人の会話)をした。
スウェーデンでは年間晴れの日が60日しかないとか、ほとんどの人が4ヶ国語くらいはなせるとか、夏に船から見るフィヨルドの景色は絶景( ただし晴れれば )だとか、いろんなことを聞いた。
同席した彼のパートナーの彼女は日本人だし、ロンドンでも好きになった日本食を食べるのだろうなあ、などと思いながらお別れのランチは、楽しく終了した。
ぼくがロンドンに行く機会があればご馳走してね、ミートボール以外で。