それも愛

性懲りもない日々をつらつらと

たびたび行きたい「河井寛次郎記念館」

けさの新聞に京都の河井寛次郎記念館の記事が載っていた。

清水寺にほど近い五条坂の静かな住宅街にある記念館は、僕も京都に行くと好んで通う処だ。

 

自宅兼工房だった建物は、映画「おとこはつらいよ」で撮影に使われたことがある。「寅次郎あじさいの恋」は先代の仁左衛門がこの建物の主人の陶芸家役(さすがの風格)でマドンナ役がいしだあゆみだった。ちょっと息がつまるような二人きりの夜の場面もあり、切ないおとなの恋愛を描いたシリーズでもベストに近い作品じゃないかと思う。

 

河井氏自身が設計した木造2階建ての町家風の建物は、客間が吹き抜けになっていたり、中庭がありそれを囲む廊下からの眺めなど開放的なつくりもすばらしい。また敷地内に使われていた登り釜もそのまま残してあり、焼き物の家を感じさせる。

 

もちろん陶芸作品の展示もあるが、机や椅子などの家具も氏のデザインで素敵なものが多い。日用の美を重視する民芸運動の中心人物のひとりだが、縄文土器を連想させるようなおおらかで奔放な造形にひかれる。そんな作品が無造作に置いてあり、まるで知り合いの家に招かれたような感覚で楽しめる。

 

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そんなことを思い浮かべてるとまた京都に行きたくなってしまう。