それも愛

性懲りもない日々をつらつらと

家族の風景

練馬区江古田にときどき寄る酒屋さんがある。

アサヒヤワインセラーといってワイン好きには少しは知られている店らしい。

元々は地元の普通の酒販店(旭屋)が、現店主になってワインの仕入れに力を注ぎ今にいたっている。月に何回か催される試飲会はいつも盛況でぼくもたまに出かける。

有名になった(=高くもなった)KUSUDA WINEとゆうニュージーランドのワインのファーストインポーターもここだそうだ。

いかにもワインが似合いそうな柔和な風貌の店主が、お客の質問にわかりやすく的確に説明してくれる。産地、作り手、ブドウの品種、あじわい etc.

ぼくは最近、食事は和食が多いので日本酒を飲むことが多いが、たまにワインも飲みたくなる。そうゆうときはここにくる。(試飲もあるしね)

 

先日この店に行ったら入口の脇に車椅子に乗ったご婦人がいた。最初はお客さんの関係かと思ったが、そうゆうお客さんはいなかったのでこの店の関係の人(たぶん店主のおかあさん)だろう。

ぼくは3種類のワインの試飲し、それぞれのワインについての説明に聞いた。そしてその日は白1本、赤2本を購入した。(試飲したものでは青リンゴのような味わいがした白)

20分ほど店にいたが、ご婦人はだまって腰掛けて外の風景を見ていたようだった。

帰りしなに小さな声でよく聞き取れなかったが、その人がぼくに声をかけた。

おそらく「ありがとうございました」と言ったのだろうと思う。

ぼくも軽く会釈して店を出た。

家に一人で一日中いるより、こうして人の出入りがあって、外も風景も眺められる店にいたほうが気分がいいんだろうな。昔はこのおかあさんも毎日お店にでていたんだろうし。

ぼくがいる時は家族で声も交わすこともかなったが、なかなかいい家族の風景だった。