それも愛

性懲りもない日々をつらつらと

夏の夜の折尾堀川

久住山を登り、その後博多での打ち上げが終わり、JR博多から帰途についたが、もちょっと飲むかと折尾駅下車で2次会へ。

北九州市の西の端にある折尾は高校時代通ったところで、風情のあった木造駅舎は今建て替え中だった。列車を運行しながらの建て替え工事は、まるで生きてる人間を人造人間に作り変える手術をしているみたいで、少しグロテスクな感じがする。

東口を出るととすぐ懐かしい堀川が見える。川沿いに昭和レトロな飲み屋が並ぶ昔ながらの風景だ。かっては川沿いに柳の並木があったんだけど、今はない。どうして切っちゃたんだろう?もともと狭い道なので通行上そうしたのかなあ、と無粋な行政を嘆き、店を選ぶ。

堀川沿いは角打ち(酒屋の店先での立ち呑み)でも有名だが、高校時代はさすがに酒場とは縁がなかった(たまには少しこそっと飲んだけど)。

店定めをしながら歩いて行くと日本蕎麦屋があった。母校の先輩が脱サラで出した評判の蕎麦屋があると聞いたのを思い出して、入ってみた。

一次会で腹はいっぱいだったので、自慢のお蕎麦には至らなかったが、つまみ類も美味だった。ご主人は高校の3年先輩だったが、ちゃんと客としてもてなしてくれた(当たり前か)。話をすると、高校時代所属していたラグビー部で一学年上にいた先輩のお兄さんだった。

その店自体も、そのラグビー部の先輩の家で以前は乾物屋だった建物を改装したものだった。以前の乾物屋だった頃の店先が目に浮かんだ。

駅舎が建て替わると同じような時にその乾物屋も蕎麦屋に変わっていたのだ。

同行した高校の同級生とともにご主人と母校にまつわる話題に花を咲かせ、暑い8月の夜のひと時を懐かしく楽しんだ。