それも愛

性懲りもない日々をつらつらと

スポーツは RE CREATION

ラグビーW杯でジャパンが南アフリカに勝って日本中がわいた。

いつも秩父宮ラグビー場で好試合を見ても観客が少なく寂しい思いをしているので、やっぱり国際的な舞台で勝たないといかんと改めて思った。(サッカーの「なでしこ」のように)

この試合のビデオを3回観たが、南アはそんなにミスをしているわけでなく普通の戦い方をしている。(当然それで勝てる思っていたんだろうが)それに対してジャパンはこの試合用に周到に練ったベームプランをほぼ完璧に遂行していて、勝つべきして勝ったという印象を持った。(ラッキーではない)

「ジャパンウェイ」と名付けられた日本代表の戦い方は、体格に劣る日本では格闘技的な要素の高いラグビーでは守りきって勝つことはできないリアリティから逆算してできている。短いパスをつなぎ連続攻撃をしボールを保持し相手の攻撃機会を少なくし、連続攻撃で相手を疲れさせる作戦だ。加えて正確なキックと意表をついたサインプレーで得点をして勝つパターン。(南ア戦でもこれまで見せてない戦法をいくつか使って成功させている)

ジャパンの監督のエディージョーンズ氏を取材した本が何冊が出ていて僕も読んだことがある。日本人や日本ラグビーに対する鋭い観察や指摘がいくつもあって感心する。

そのひとつに日本人はスポーツに対してリクレーションの概念が薄いといっていた。

リクレーションは余暇と訳されることが多いが、元の意味は、RE CREATION=再創造だそうだ。昔ながらの考えかたや練習方法に固執しないでもっとクリエティブに取り組み、選手が自ら考えてプレーできるように導く環境が必要だと説く。(例えば今のジャパンではタックル技術のコーチにレスリングの専門家をよんでいる)

1960年代にも一度ジャパンが強豪国相手に健闘した時期があった。

当時の監督が大西鉄之助氏で氏の理論は「接近・連続・展開」。日本人の俊敏さをいかして早い展開ラグビーとサインプレーで相手を撹乱して金星をあげた。

当時とは選手のフィジカルも違うし、戦術も進化しているので、もちろん全くお同じやり方ではないが基本のコンセプトは同じだ。

これはまさに「RE CREATION 」だ。

残念だがエディー監督は今大会で退任する。(公式には新しいチャレンジをするためと発言しているが実際はラグビー協会のスーパーラグビー参加への取り組みに不満があったらしい)

今後もジャパンラグビーのリクレーションが成功するようにラグビーファンの一人として強く願う。