新国立競技場のこと
ようやっと新国立競技場の建築計画が変更されそうだ。
ぼくは建築の専門家ではないが、今回の新国立競技場の設計の問題については以前から関心があった。
国際設計コンペが実施されたのは2012年の秋。
審査委員長は安藤忠雄氏、東京オリンピック誘致の功労者とされる石原元都知事の推薦らしいが、そもそもこれも極めて恣意的なことで透明性に欠いている。
そしてあのド派手なザハ氏の案が一等賞となったが、ほどなく建築界の重鎮から神宮外苑の歴史的経緯(明治神宮の外苑)及び現状の地区景観と相いれないと、反対の声が上がり、著名な建築家や文化人からも反対意見がぞくぞくと表明された。
さらに2013年に工事費を試算したところ3,000億円かかることが判明した。計画予算は1,300億円だったのだから普通ならこの段階でザハ案はボツだろう。
ところがコンペで決めたんだからと言う理由(予算も提示されていたコンペなので失格でいいと思うが)で、ザハ案を修正(どう見ても改悪)し建物を25パーセントほど小さくして1,700億円でまとめますとゆうことになった。
予算オーバーも判明したこともあり反対の運動の輪は広がっていったが、行政は無視をつづけ、政治家もあまり触れたがらない感じだった。(コンペがあったのは民主党政権時であり、その後自民党の重鎮の森氏の肝いりプロジェクトになってることも影響したのか)
ところが2015年にゼネコンが試算すると修正案でも2,500億円かかることが判明し、さらに地下鉄にアーチの基礎がぶち当たるなどの難問も明らかになった。
それでも2019年のラグビーW杯に間に合わせるには現行案しかないとの理由で負の遺産が強行されそうだったが、ギリギリのとこで見直しになりそうだ。
いちラグビーファンとしては新国立競技場の杮落としでラグビーW杯を見るのを楽しみにしていたが、だからと言って理屈に合わない公共事業推進をラグビーのせいにされるのはやめてくれ!との思いだった。
たまたま安保問題で支持率の下がった安倍首相が世論を無視できなくなったとゆうことだろうが・・
つぎの問題はあらたな設計プランがどうなるか?とゆうことである。
ザハ案の修正だけはやめてもらいたい。(安藤さんはメンツ上そうしたいようだが)
ぼくは先のコンペで次点となったオーストラリアの設計事務所の案は、日本的で繊細な感じがしていいなと思っていた。(また計画敷地には高低差がありザハ案では人工地盤で水平な床を作ることになっているが、次点案では雛壇状のアプローチになっていて、そこがいい憩いの場所になりそうだと思う)
建物を見ることを目的にスタジアムに行くわけじゃないから、すっきりしてメンテナンスもしやすい建物がいいと思う。その上で美しいものを作ってほしい。