それも愛

性懲りもない日々をつらつらと

尾瀬ぶらり遊歩

4度目の尾瀬だった。

だいたい旅は最初におとづれた時のことが印象深いものだが、尾瀬会津高原駅から入るルートで秋の燧ケ岳を登った最初の時のことが印象深い。

今回は初めて一人歩きの尾瀬だ。

関越の沼田インターから40分程走り、ケーブル斜張の美しい尾瀬大橋を渡ると「ああ尾瀬に来たな」と思う。片品温泉郷に入り徐々に高度を上げて行くと旅館や民宿が目立ってくる。

尾瀬ヶ原へはマイカー規制があり戸倉からタクシーかバスで入る。

その戸倉の発着所の目の前にある旅館「玉泉」に泊まった。

名前は立派だが、旅館とゆうより民宿に近い家族経営の宿だ。

ここの女将さんとご主人が(といっても若く30代かな)とても親切で感じがよく、すっかり気に行った。眺望はないが泉質が良い掛け流しの温泉も気に入った。

尾瀬のガイドもしている女将さんに尾瀬の情報もあれこれ聞いて翌日の参考にした。

翌朝、乗り合いタクシーで鳩待峠に入り、雲上の楽園とも称されるアヤメ平に上がり尾瀬ヶ原に降りるルートを歩いた。アヤメ平はお花畑だった。尾瀬といえば6月の白い水芭蕉と7月下旬の黄色いニッコウキスゲが有名だが、7月上旬は様々な高山植物が咲き乱れる素晴らしい季節だ。

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アヤメ平は尾瀬散策のメインになっている尾瀬ヶ原湿原からは500メートルくらい高い場所にある。湿原を繋ぐルートに一部悪路もあるせいかあまり人気がなく、その日も平日だったこともあるが他人と出会ったのは1度だけだった。(山登り系の人はこのルートを好む)

尾瀬ヶ原に降りると小学生や中学生の団体が何組かガイド(自然観察委員)を伴いワイワイと楽しそうに木道を歩いていた。

尾瀬は水利権を持っていた会社を継承した東京電力が土地の4割くらいを所有している。その関係で尾瀬の木道の多くの部分の整備を東京電力が担ってきた。以前なら「そのくらいやってね、東京電力さん」でよかったが、原発事故後、今でも木道整備事業を行なっている姿を見るとなんだか複雑な気分になった。

だだっ広いがさまざな表情を見せる尾瀬ヶ原の風景に足を止めつつ木道を踏みはずさないよう、足早に歩いた。ビジターセンターのある山の鼻から1時間登って20キロのコースを遊歩し鳩待峠に戻った。帰りはマイカーなので、ビールとか行かずソフトクリームで一人乾杯をして鳩待峠を後にした。

尾瀬独行は心和むいい人との出会いがあり、自然にどっぷりひとり浸かることもでき、満足度の高い旅になった。